こんにちは。ダッソー・システムズで産業機械業界のコンサルタントをしております、小林 敦志です。主に海外のプロジェクトや日々のニュース、または当社ならではの情報を、私の目利きでお伝えします。日々変容する社会・製造・ITのトレンドを皆様に共有できればと思います。
日々変容する技術の進化は、今はAIが筆頭かもしれませんが、ロボット産業も見逃せません。世界的に労働力が不足しつつあるということもあり、作業者と同じ空間で一緒に作業を行えることで働ロボット「コボット」の活躍の場が増えています。 旧来のロボットは、出力が大きく、安全のために、作業者とは壁を設けていましたが、小型化・軽量化して、省スペースでの運用が可能です。
協働ロボットは、日本でも企業の受付、夜間の自動警備、寿司屋などでの調理、ファミリーレストランでの配膳などで見かけるようになりました。協働ロボットは人間のそばで動作することもあり、利用シーンや用途に応じて、適切に、かつ素早く仕様の変更、用途の変更に対応する必要があり、それが技術の進化として結実するという特徴があります。
ロボット市場は、大幅に拡大しています。経済産業省の「ロボットを取り巻く環境変化等について」(2019年5月8日公表)によると、世界の産業用ロボット市場は年平均14%増であり、世界のロボットの6割弱が日本メーカー製です。さらに国際ロボット連盟 (IFR, International Federation of Robotics)で、国連が定める持続可能な開発目標(17SDGs)のうち、13 の SDGs を特定しており、ロボットへの期待は高まる一方です。
ロボットへの期待の反面、お客様や現場の要望に応えるカスタマイズ性、徹底した効率性が求められます。特に協働ロボットやサービス・ロボットには、周囲の環境を評価し、タスク実行の効率性と安全性を最適化するという非常に高度な機能が求められます。さらに見た目も、ロボットが実行する作業や状況を明示する外形やユーザーインターフェースが求められてきています。
従来の製品開発手法では、このような要求、要望に対応するのは非常に大変です。メカ、電装、電磁波、制御と、上位のシステムと連携するためのインターフェースの担当と、技術が全く異なる設計者間の成果物の共有、課題の管理・共有、プロジェクトの管理を、できるだけ密に実施する必要があるかと思います。さらに、コロナ禍以降一般的となったリモートワークの開発者や、国外に在住する開発者からもアクセスできなければなりません。製品ライフサイクル全体で、関連する業務やデータの管理を綿密に検討し、記録を残す必要があるということかと思います。
例えば、食品加工を支援するシェフロボット。協働ロボットの一つになりますが、工場で利用されている産業用ロボットに求められる以上に、食品業界の規制にも準拠する必要があります。食品アレルギーも考慮しなければならず、食材毎に別々の器具を使い分ける必要があります。
シェフ アシスタント ロボット Alfredを開発したDexai Robotics社が、直面したのも同じ課題です。アメリカの会社のため、調理のためには、National Sanitation Foundationの規制に従う必要があり、ロボットの設計だけなく、規制に対応するための作業や文書作成も必要でした。
このような場合のひとつの解決策が、クラウド上での3DEXPERIENCEプラットフォームを利用して、ロボットの開発を行うという案です。こちらのeブック「クラウドを活用して革新的なロボットを開発」には、活用の例が記載されております。
2023年11月29日から東京ビッグサイトで国際ロボット展 iREX2023が実施されます。ロボット自体の展示も豊富にありますが、ロボットの開発に役立つソリューションの紹介も豊富に準備されます。弊社ダッソー・システムズも、ブースを出展いたします。こちらのリンクから詳細をご確認ください。是非ともご来場いただき、最新の高度に連携されたロボット開発の姿をご確認できればと思います。
以上、ダッソー・システムズで産業機械業界を担当している小林敦志からのご紹介でした。