ダッソー・システムズでは、社員に対して「IFWE(もし◯◯ができたならば)、世の中をこのように変えられるのではー」という4つの価値基準(コア・バリュー)を掲げています。
お客様の課題解決であれ、社会に関わる取り組みであれ、これらの価値基準をもとに自らに問いかけ、チームを作り、アイデアを形にしていきます。
この「IFWE日記」シリーズでは、パラアスリートとして車いす競技で活躍し、起業家としても活動する当社の社員、官野一彦(かんの・かずひこ)が、どのようにこの4つの価値基準を体現しているかをお伝えしていきます。


ベルギー大会を終えたあと、日本代表チームを見送り、私は単独でイタリア北部の町・マニアーゴへ移動しました。ここで行われた「パラサイクリングワールドカップ ステージ2」に出場するためです。マニアーゴはスロベニア国境に近い、ナイフの名産地として知られる歴史ある山あいの町で、古いヨーロッパの街並みと大きな渓谷を背景にレースが行われます。
今回のコースは、登りが多く、さらに石畳によってスピードが落ちるセクションがあるなど、非常に難易度の高い内容でした。私はタイムトライアルとロードレースの両方に参加し、それぞれ7位と8位で入賞することができました。
ただ、ロードレースでは途中のカーブで曲がり切れずに転倒し、順位を落としてしまいました。実は今遠征で2度目の転倒となり、自分の中でも課題の多さを痛感しています。レース序盤では石畳にタイヤを取られ、トップ選手たちと一気に差をつけられてしまうなど、パワーや対応力の違いもはっきりと感じる結果となりました。

それでも、2大会・3レース連続で入賞という目標を達成できたことには素直に喜びを感じています。一方で、世界のトップレベルとの差を肌で実感できたことは、次への大きな糧となりました。

「現状に満足せず、さらに前へ進む」。これはダッソー・システムズのバリューのひとつであり、私自身もこれを大切にしています。世界で戦える選手になるため、帰国後は足りなかった部分を徹底的に見直し、次に向けたトレーニングを積み重ねていきます。
応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。これからも引き続き頑張っていきます。

<官野一彦のIFWE日記 バックナンバー>
官野一彦のIFWE日記:第24回 ベルギーワールドカップで初入賞!
官野一彦のIFWE日記:第23回 ヨーロッパ遠征でつかんだ感触
官野一彦のIFWE日記:第22回 新シーズン開幕—アジア選手権での挑戦
官野一彦のIFWE日記:第21回 パリの夜を駆け抜ける :モビリティ・ナイト・ライドに参加して
官野一彦のIFWE日記:第19回 すべての人のためのインクルーシブなモビリティの実現に向けて
官野一彦のIFWE日記:第18回 パリパラリンピックの選考結果を受けて
官野一彦のIFWE日記:第16回 ワールドカップ ベルギー大会
官野一彦のIFWE日記:第15回 アメリカでの強化合宿とレース
官野一彦のIFWE日記:第14回 オーストラリアでのパラサイクリング ワールドカップ
官野一彦のIFWE日記:第12回 国立障害者リハビリテーションセンター研究所との取組み
官野一彦のIFWE日記:第11回 アラバマ州での遠征を終えて ~コミュニティの力が1つになれば手を取り合ってゴールを目指せる~
官野一彦のIFWE日記:第10回 ヨーロッパ遠征~学ぼうとする情熱が創造性を高め未来への懸け橋となる~
官野一彦のIFWE日記:第9回 周りに感謝し、手を取り合って前に進む
官野一彦のIFWE日記:第8回 濃霧で視界が悪い中での挑戦 | 米国テキサス州遠征での学び
官野一彦のIFWE日記:第6回 トレーニング場所を巡る葛藤、米国での驚き、そしてユニバーサルジムの設立へ
官野一彦のIFWE日記:第5回 不貞腐れていた時期、気付き、そして恩送り
官野一彦のIFWE日記:第4回 シドニー以前と以後 挑戦と成長のサイクルを信じる
官野一彦のIFWE日記:第3回 五輪金メダル獲得に向けて・・・コミュニティと一緒に歩んだオリンピックロード