ダッソー・システムズでは、社員に対して「IFWE(もし◯◯ができたならば)、世の中をこのように変えられるのではー」という4つの価値基準(コア・バリュー)を行動指針として掲げています。
お客様の課題解決であれ、社会に関わる取り組みであれ、これらの価値基準をもとに自らに問いかけ、チームを作り、アイデアを形にしていきます。
この「IFWE日記」シリーズでは、パラアスリートとして車いす競技で活躍し、起業家としても活動する当社の社員、官野一彦(かんの・かずひこ)が、どのようにこの4つの価値基準を体現しているかをお伝えしていきます。

今回は、世界選手権に向けて行ったアメリカ遠征について、「高地合宿編」と「世界選手権編」の2回に分けてご報告したいと思います。まず今回は、アリゾナ州フラッグスタッフで行った7/29~8/22までの3週間の高地合宿についてです。
昨年の反省から始まった今回の挑戦
昨年の世界選手権では、大会前に熱中症で体調を崩してしまい、十分なコンディションでレースを迎えることができませんでした。
世界選手権という大切な舞台に向けてトレーニングを積んできても、最後に体調を崩してしまえば、それまで準備してきたものをレースで発揮することができません。
その経験から、今年は「世界選手権に向けて、しっかり身体を作った状態で大会を迎えたい」という思いが強くありました。
そこで今年は、世界選手権前の3週間をアリゾナ州フラッグスタッフで過ごし、高地合宿を行うことにしました。
標高約2,100mでのトレーニング
フラッグスタッフは標高約2,100mに位置する高地です。
普段生活している環境とは違い、空気が薄いため、最初はいつもと同じように走っているつもりでも息が上がりやすく、身体への負担を感じました。
高地に到着してすぐに強度を上げるのではなく、まずは身体を環境に慣らすことからスタート。体調を確認しながら、徐々にトレーニングの強度や時間を上げていきました。
今回の合宿で特に意識したのは、ただ追い込むことではなく、世界選手権で最大限の力を発揮するための身体を作ることです。
長時間のトレーニングや強度の高いメニューを行いながら、疲労を残しすぎないこと、食事や水分、エネルギー補給、睡眠などにも気を配りながら3週間を過ごしました。
世界トップレベルの選手たちと過ごした3週間
今回の合宿で、トレーニングそのものと同じくらい大きな経験になったのが、一緒に過ごした選手たちの存在です。
今回、アメリカやオランダから、ワールドカップで表彰台の常連となっている世界トップレベルの選手たちも合宿に参加していました。障害レベルが異なるため、レースで直接競い合う同じクラスの選手たちではありません。しかし、世界の第一線で戦い続けている選手たちと、3週間にわたって同じ環境でトレーニングできたことは、とても貴重な経験になりました。
普段日本でトレーニングをしていると、こうしたレベルの選手たちと毎日のように一緒に走る機会はなかなかありません。
実際に同じトレーニングを行うことで、走り方はもちろん、トレーニングへの向き合い方や強度の上げ方など、レース会場で見ているだけでは分からない部分を間近で感じることができました。また、今回特に良かったのは、一緒に過ごしたのがトレーニングの時間だけではなかったことです。トレーニングが終われば一緒に食事をし、日々の生活も共にする。世界トップレベルの選手たちが普段どのような考え方で競技に取り組み、どのように身体を作っているのか。その日常を間近で見ることができました。一緒に走り、一緒に食事をし、同じ時間を過ごす。そうした3週間は、トレーニングの数字だけでは表すことのできない、非常に大きな経験になりました。世界の第一線で戦う選手たちの姿を身近で見ることで、自分自身の競技への向き合い方についても改めて考える機会になりました。
改めて感じた「補給」の大切さ
今回の合宿では、トレーニングそのものだけでなく、身体を動かすためのエネルギー補給についても改めて考える機会になりました。長時間のトレーニングでは、後半になるとエネルギーが不足し、急激にパフォーマンスが落ちてしまうことがあります。
これまでも補給の重要性は理解していたつもりでしたが、今回の合宿では炭水化物をしっかり摂りながらトレーニングすることで、後半のパフォーマンスやトレーニングの質が変わることを実感しました。トレーニングは、ただ長く、きつくやればいいわけではありません。必要なエネルギーを身体に入れ、質の高いトレーニングを継続すること。そして翌日のトレーニングにつなげていくこと。世界のトップ選手と戦っていくためには、こうした一つ一つの積み重ねも重要なのだと感じています
3週間を終えて世界選手権へ
3週間という期間、トレーニングを中心とした生活を送りながら、自分の身体と向き合う時間を作ることができました。
そして、世界トップレベルの選手たちと一緒に走り、食事をし、生活を共にできたことは、今回の合宿で得た大きな財産になりました。昨年のように大会直前に体調を崩すことなく、世界選手権に向けて計画していたトレーニングを積むことができ、「今年はしっかり準備して世界選手権に行ける」という感覚を持って、フラッグスタッフでの3週間を終えることができました。そして次の目的地は、世界選手権が開催されるアラバマ州ハンツビル。
フラッグスタッフで積み上げてきたものを、どこまで世界選手権で発揮できるのか。期待を持って、ハンツビルへ向かいました。
次回は「世界選手権編」として、タイムトライアルとロードレースの結果、そこで感じた世界との差、そしてこれからについてご報告したいと思います。

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