People ProfilesJune 2, 2023

官野一彦のIFWE日記:第11回 アラバマ州での遠征を終えて ~コミュニティの力が1つになれば手を取り合ってゴールを目指せる~

  ダッソー・システムズでは、社員に対して「IFWE(もし◯◯ができたならば)、世の中をこのように変えられるのではー」という4つの価値基準(コア・バリュー)を掲げています。
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Avatar 官野一彦 (Kazuhiko Kan’no)

ダッソー・システムズでは、社員に対して「IFWE(もし◯◯ができたならば)、世の中をこのように変えられるのではー」という4つの価値基準(コア・バリュー)を掲げています。 お客様の課題解決であれ社会に関わる取り組みであれ、これらの価値基準をもとに自らに問いかけ、チームを作り、アイデアを形にしていきます。 この「IFWE日記」シリーズでは、パラアスリートとして車いす競技で活躍し、起業家としても活動する当社の社員、官野一彦(かんの・かずひこ)が、どのようにこの4つの価値基準を体現しているか、ブログ形式でお伝えしていきます。

こんにちは。ダッソー・システムズ官野です。2024パリパラリンピックに向け、自転車競技(パラサイクリング・ハンドサイクル)での日本代表入りを目標に、今年は海外レースへの参加を積極的に行っています。

4月26日から5月8日のヨーロッパ遠征に続き、アメリカアラバマ州ハンツビルで5月26日から29日まで行われた『PARA – CYCLING ROAD WORLD CUP』に参加してきました。

前回のヨーロッパ遠征で自分なりの走りができ、今回の遠征の課題は『勝負』を掲げ参加してきました。レース以前に時差ボケのせいなのか、眠れない夜が続き、風邪のような症状で終始苦しい遠征になってしまいました。今回参加したレースは、タイムトライアル14.6㎞、ロードレース48.4㎞、チームリレー2.6㎞×9Lapsでした。

大きな道路を封鎖した、緩い上り坂と下り坂がある平坦基調のコースで、ヨーロッパとは異なり急なコーナーもほとんどありませんでした。結果はタイムトライアル6位、ロードレース7位、リレー10位でした。

結果だけ見ると決して悪くはないのですが、上位との力の差がはっきり出てしまいました。特にロードレースでは、6位7位を争った選手とずっと並走して走っており、残り12㎞あたりで勝負を掛けられた時に相手のスピードに追い付けず差を広げられ、結果は7位で終わってしまいました。『勝負』を課題に挙げていたところで、勝負所で負けてしまいました。

約1カ月間で大きな海外レース3本に参加させてもらってきた中で、強い選手との差を学びました。その中で一番の差は『パワー』でした。私は長い距離を漕ぐ力は持っているのですが、海外選手たちとの圧倒的な違いはスピードを一瞬で出すパワーであることに気づきました。これは私にとって今後どうしていけばいいのか明確になったという意味で、非常にポジティブに捉えています。というのも、私もパワーを付ければ上位に食い込めることが分かったからです。短い期間での連戦で身体は正直きつかったですが、とても有意義な時間になりました。しばらく海外遠征は空くので、課題を克服できるようトレーニングに没頭します。世界ランキングは現時点では11位まで上がりました。一桁を目指して頑張ります。

また、今回は通訳兼スタッフとして元競輪選手の方が、はるばるヒューストンから車で約1200㎞運転して手伝いに来てくださいました。毎回痛感しますが、一人では私の挑戦は成り立たないのです。個人競技ではありますがチームでゴールを目指しています。みんなが同じ方向を見て前に進みゴールを目指す。当社のIFWバリューそのものだと思います。応援してくれる皆さんに感謝し、これからも挑戦していきます。 (次回に続く)

パラサイクリングとは

パラサイクリングは、1984年のニューヨーク・アイレスベリーパラリンピックにてロードが正式競技となり、1996年のアトランタパラリンピックにてトラックも正式競技となりました。視覚障害と運動機能障害の選手が出場する種目で、障害のクラスに応じて使用する自転車が異なり、通常の2輪自転車、3輪の自転車、手でペダルをこぐハンドサイクル、視覚障害の2人乗りタンデムの4種類があります。

<官野一彦のIFWE日記 バックナンバー>

官野一彦のIFWE日記:第10回 ヨーロッパ遠征~学ぼうとする情熱が創造性を高め未来への懸け橋となる~

官野一彦のIFWE日記:第9回 周りに感謝し、手を取り合って前に進む

官野一彦のIFWE日記:第8回 濃霧で視界が悪い中での挑戦 | 米国テキサス州遠征での学び

官野一彦のIFWE日記:第7回 米国フロリダ州遠征での学び

官野一彦のIFWE日記:第6回 トレーニング場所を巡る葛藤、米国での驚き、そしてユニバーサルジムの設立へ

官野一彦のIFWE日記:第5回 不貞腐れていた時期、気付き、そして恩送り

官野一彦のIFWE日記:第4回 シドニー以前と以後  挑戦と成長のサイクルを信じる

官野一彦のIFWE日記:第3回 五輪金メダル獲得に向けて・・・コミュニティと一緒に歩んだオリンピックロード

官野一彦のIFWE日記:第2回 海難事故、代表選考からの落選・・・困難を乗り越えてパラ五輪メダルで得たもの

官野一彦のIFWE日記:第1回 ”四足”のわらじでパラアスリートを支援 パラ五輪メダリスト・起業家 官野一彦

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