Virtual ExperienceDecember 5, 2017

スキャンピラミッド・プロジェクト: 科学雑誌ネイチャーに発表された クフ王の大ピラミッドを巡る新発見

ダッソー・システムズが基金を通じて支援 プロジェクトの成果をもとに、文化・教育目的のVRエクスペリエ ンスも展開   2015年10月に開始した国際プロジェクト「スキャンピラミッド」は、非侵襲的かつ非破壊型の検出技術を用いてエジプトのピラミッド群を透視 (スキャン)
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ダッソー・システムズが基金を通じて支援

プロジェクトの成果をもとに、文化・教育目的のVRエクスペリエンスも展開

2015年10月に開始した国際プロジェクト、スキャンピラミッド(ScanPyramids)は、非侵襲的かつ非破壊型の検出技術を用いてエジプトのピラミッド群を透視 (スキャン)し、その内部構造を明らかにしようという試みです。このプロジェクトの企画とコーディネートは、文化遺産の研究・保護・次世代への継承を目的とする非営利団体HIP (Heritage Innovation Preservation Institute) と、カイロ大学工学部が進めており、同プロジェクトはダッソー・システムズによる先行研究*1を引き継いでいます。

「スキャンピラミッド」プロジェクトでは、2016年10月に梁の陰にある回廊の入り口を発見し、このほど科学雑誌『ネイチャー』誌において、クフ王の大ピラミッドにおける大きな空洞の存在を明らかにしました。全長30メートルの巨大空間は、既に知られている「大回廊」の大きさに匹敵します。クフ王の大ピラミッドの内部では、中世以降、主要な建築構造が一切発見されておらず、今回の発見は画期的なものです。

ダッソー・システムズの教育・研究向け基金であるラ・フォンダシオン・ダッソー・システムズは、 「スキャンピラミッド」プロジェクトのメンバー企業であるEmissiveと共に、その専門能力を生かした技術支援を、HIP Instituteとカイロ大学に提供しています。これによって、かつてない学際的なプロジェクトの計画とコーディネートが可能となり、またVR (仮想現実) エクスペリエンスでプロジェクトの成果に命を吹き込むことができました。

「スキャンピラミッド」は、ラ・フォンダシオン・ダッソー・システムズが支援するプロジェクトのひとつです。ラ・フォンダシオン・ダッソー・システムズは、3Dテクノロジーやバーチャル・ユニバースが実現する学習環境を生かすことで、学際的な研究に携わるチームのコラボレーションを活性化させ、これからの教育や研究のあり方を刷新することを目指しています。VR/ARの専門技術を持つEmissiveが没入感の高い環境を作り出すことで、人々はピラミッドの内部を、実際に見て回るかのように深く理解することができます。こうしたアプローチは、真の意味でのコラボレーションを実現し、知識の境界を取り払うものです。また研究者のみならず、学生や一般市民など広範な人々が、没入空間の力を借りることで、これまで立ち入れなかった空間を体験し発見することができます。

文化や教育分野における「コラボレーションのための没入環境」

VRリサーチラボラトリーのプロトタイプ版が、 パリの国立建築遺産博物館に

パリの国立建築遺産博物館では、VRエクスペリエンスのプロトタ イプが公開中です。 ここでは大ピラミッドの内部を再現する没入空間の中で、 プロジェクトで明らかにされた内部の様子を確認できます。VRヘ ッドセットを身につけて大ピラミッドの内部に入り込み、 新しいタイプのバーチャル・ガイドツアーを体験できます。 それは革新的かつ没入型のエクスペリエンスで、 文化活動や教育活動の未来を示すものです。

Emissive©
Emissive©
Emissive©

*1: 関連プレスリリースは以下

ダッソー・システムズとハーバード大学、教育・研究分野における没入型バーチャル・リアリティの活用で連携 2012年5月

ダッソー・システムズ、3Dエクスペリエンス・プラットフォームでギザ・ネクロポリスを再現 2012年5月

クフ王大ピラミッド建設の謎をリアルタイム3D技術で解明 2007年3月

ラ・フォンダシオン・ダッソー・システムズについて

ラ・フォンダシオン・ダッソー・システムズは、3Dによるバーチャル・ユニバース (仮想空間) 技術についてのトレーニングや能力を提供することで、ヨーロッパならびに米国における、学校、大学、研究機関、博物館、その他団体を支援します。そのミッションは、人々の、工学、科学、デジタル・テクノロジーへの情熱をかきたて、より良い、よりコラボレーションが活発な社会を作り上げることです。ミッションのひとつとして、フォンダシオンでは活発にノウハウの共有のための新しい方法を発明することやラーニング・プラクティスの革新に貢献し、新しい才能を探し当てられるようにすることで、彼らがその夢を実現できるように支援します。詳しくはウェブサイトをご覧ください。 lafondation.3ds.com

Emissiveについて

EmissiveはVR (仮想現実) およびAR (拡張現実) を専門とする、2005年に設立された企業です。同社はユニークな没入型エクスペリエンスのデザインと開発を行い、顧客と共にこうした革新的な技術に取り組んでいます。25名からなる没入型技術の専門家に支えられ、Emissiveは、ダッソー・システムズ、イケア、オレンジ、BNP、ターレス、パテック・フィリップ、エルメスといった多くの大企業が信頼を寄せるパートナーです。

Emissiveが開発するエクスペリエンスはユニークです。それらはコミュニケーションやビジュアライゼーションで新しい課題に直面する企業を助けるために、想像され、カスタムメイドされています。Emissiveの作品は、多くの最新技術を活用し、常にユーザーをそのエクスペリエンスの中心に置き、イノベーションとエモーションを組み合わせます。

同社が開発したコラボレーションが可能なVRプラットフォームに基づき、プロジェクトは、グローバルな手法によるメリットを享受し、ロケーションや訪問者数に応じて拡張できます。また、導入がシンプルで、アップデートも簡単です。同社の作品は、店頭や、さまざまな国際的なイベントで見ることができます。

今年は、EmissiveはMIT博物館、ソー・エルメス、パテック・フィリップ・アート・オブ・ウォッチ・グランド・エキジビション (ニューヨーク) 、国際高級時計サロン (SIHH) , 全仏オープン、アラブ世界研究所、バーゼルワールド、ビバテックなどで没入的なインスタレーションを制作しました。

http://www.emissive.fr/?lang=en

スキャンピラミッドについて (HIP Institute)

2015年10月5日以降、カイロ大学工学部とHIP (Heritage Innovation Preservation) インスティテュートは、エジプト考古学省の権限もと、#ScanPyramids プロジェクト  (www.scanpyramids.org) の計画とコーディネートを行ってきました。その目的は、エジプトの巨大ピラミッド群 (クフ王のピラミッド、カフラー王のピラミッド、屈折ピラミッド、赤いピラミッド)を「透視」 (スキャン) することにあります。#ScanPyramidsでは、複数の非侵襲的・非破壊型の技術を組み合わせて、この古代の遺跡の、これまで知られていなかった内部構造の存在を明らかにし、それらのレイアウトや建設についてより深く理解することを目指しています。使用される技術は、赤外線サーモグラフィー、ミューオンX線写真、シミュレーション、および3Dによる復元です。

#ScanPyramidsプロジェクトは、複数の国際的な科学機関を動員しています。それらは、フランス原子力・代替エネルギー庁 (CEA) 、名古屋大学、高エネルギー加速器研究機構 (つくば) 、ラヴァル大学 (カナダ・ケベック州) 、フランス国立情報学自動制御研究所 (INRIA) 、フランス国立科学研究センター (CNRS) です。

ScanPyramidsは、ダッソー・システムズ、ラ・フォンダシオン・ダッソー・システムズ、Emissiveからのスキルや技術スポンサーシップを受けています。

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