サステナビリティJanuary 26, 2022

サステナビリティ・リードが語る「ダッソー・システムズがサステナビリティを重要な事業戦略とする理由」(前編)

ポストコロナの新しい経済社会にむけた2022年が始まりました。
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ポストコロナの新しい経済社会にむけた2022年が始まりました。

今年のお正月は、2年ぶりに故郷へ帰省したという方や、久しぶりに親戚・友人・知人と新年を祝うことができたという方も多かったのではないでしょうか。長いコロナ禍の中で、私たちの生活スタイルや働き方も大きく変わりました。また、世界で起きる出来事が、私たちの日常に大きく影響するのだと痛感することが増えました。ひとりひとりの生活や、家族との時間を大切にした働き方、誰もが安全に、安心に暮らせる持続可能な社会など、考えさせられる機会も多かったことと思います。

今年、2022年は、世界的にも、新しい社会づくりにむけた大きな変化が多方面から予測されています。

3次元プラットフォームを提供するソフトウェア・ソリューションベンダーであるダッソー・システムズにとって、新しい働き方や持続可能な社会づくりの支援は、企業としてのパーパス(存在意義)に沿う活動です。

創業40周年を迎えたダッソー・システムズを「CADを専門とする企業」としてご認識してくださっている方も多いと思いますが、同時に当社は「サステナビリティを事業の中核とする企業」でもあります。

何故ダッソー・システムズがサステナビリティをそれほどまでに重要視するのか、どのようにサステナビリティに貢献しているのかー。今回のブログでは、ダッソー・システムズ日本法人のインダストリー・ビジネスコンサルタント 兼 サステナビリティ・リードである由利直美がその理由を解説します。

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「サステナビリティの企業」として辿ってきた40年

ダッソー・システムズはパーパス・ドリブンカンパニーとして、「3DEXPERIENCEで製品、自然、生活が調和する持続可能なイノベーションを現実の世界にもたらす」というパーパスを掲げています。

このパーパスからも分かるように、当社の40年の社史を振り返ると、持続可能性(サステナビリティ)への注力は創業時より事業の原点にありました。また創業以来、絶えず技術力向上やポートフォリオ拡充を行ってきましたが、その目的はCADを中心とした製造業の製品開発支援にとどまらず、自然環境への配慮や人体と生命、人間の生活への理解促進を通じた、製品・自然・人のバランスがとれたサステナブルな社会の実現にあります。

ダッソー・システムズは3D設計支援に始まり、2012年に3DEXPERIENCEプラットフォームを発表しました。これをきっかけに、仮想(バーチャル)空間で3Dモデルを使い、様々な製品の製造や医療、都市開発などをより良いものにすることに注力してきました。それ以降、この技術をより広範囲で活用・展開し、人や場の経験(エクスペリエンス)の3Dモデル化にとどまらず、「人体構造の3Dモデル化」にも取り組んでいます。例えば、バーチャル空間で人体モデルを「バーチャルヒューマン」として構築し、現実世界の事象や治療に即したシミュレーションを行うことで、人体への理解を深めることができます。これにより、人々の健康や医療に寄与するのみならず、人々が生活する都市や都市を支えるインフラの再定義にも生かすことができます。現実世界では製品・自然・人がバランスをとりながら不可分に存在しており、これらの相互作用を科学的に精確に把握・検証した上で技術を社会実装していくことが、持続可能な発展には不可決です。3DEXPERIENCEプラットフォームは把握・検証と実装に必要な場を提供し、人々をつなげます。これが、当社が「サステナビリティの会社」である所以です。

「バーチャルヒューマン」の取り組みの一つ、脳の3Dモデル化の様子(🄫ダッソー・システムズ)

サステナビリティの実現に向けたダッソー・システムズのアプローチ

ダッソー・システムズでは現在、「サステナビリティの実現」に向けて3つのアプローチをとっています。

第一に、当社自身の事業活動を通したアプローチです。当社では、2025年までの達成目標として、CO2排出量を2018年比マイナス38%とすることを目指しています。また、ダイバーシティへの取り組みとして、上級管理職の40%および管理職の30%に女性を起用することを目標としています。

第二に、お客様へのソリューション提供を通じたアプローチです。当社はソフトウェア・ベンダーとして多種多様な業界のお客様にソリューションを導入していただいておりますが、2025年までに、新規契約の3分の2をサステナビリティに貢献する自社ソリューションで獲得していくという目標を掲げています。当社のコア技術であるバーチャルツインは、バーチャル空間でのシミュレーションやデジタルコラボレーションを可能にするものです。バーチャル空間内で、物理的なエネルギー消費やコストを伴わない形で製品の開発・検証を可能にし、関係者間の意思決定を支援します。このバーチャルツインをより広く普及させ、環境に配慮したサステナブルなビジネスの在り方を訴求しています。

三つ目のアプローチは、社内外とのコラボレーションを通じた取り組みです。当社のお客様やパートナー様、また社外のNPO/NGO団体などと協力し、トレーニングやイベントを開催してサステナビリティの啓蒙を進めていきます。ダッソー・システムズが目指すサステナビリティとは、個人の力で成し遂げることではなく、コミュニティで取り組むことで初めて実現に近づくものだと考えています。様々なステークホルダーとの連携を強化し、サステナビリティの実現に向けた協力を図っていくことを重視しています。

ダッソー・システムズ株式会社 インダストリー・ビジネスコンサルタント、兼、サステナビリティ・リード 由利直美

Society 5.0実現への橋渡し役として

世界的にサステナビリティへの注目が高まる中で、日本国内では「Society 5.0」が掲げられています。Society 5.0は、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」(内閣府)を目指す提言です。これは、あらゆる産業や人々の社会生活において、IoT(Internet of Things)による情報共有や、人工知能/自律走行車などの利活用を通じて、経済発展と社会課題の解決を両立する社会を目指しています。

ダッソー・システムズは、サステナビリティに注力する企業として、また日本が目指すSociety 5.0への転換の橋渡し役として、国内の行政機関や民間企業を支援しています。当社は、デジタルコラボレーションとバーチャルツインのコア技術を備えたポートフォリオを提供し、専門領域や業界の垣根を越えた協業を後押しするべく事業を展開しています。

直近では、国土交通省スマートシティモデル事業の一環である「スマートけいはんなプロジェクト」を支援し、けいはんな学研都市のバーチャルツインモデルを構築しました。これにより、都市計画に関わる情報を3DEXPERIENCEプラットフォーム上に集約し、関係者間の可視化・分析・協業・意思決定に向けたベースを提供しています。

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後編に続く)

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