サステナビリティAugust 6, 2021

「水の週間」に考える水と消費:実は知られていない水資源にまつわる課題(後編)

水資源のスマートな消費の在り方を模索するための当社のキャンペーンWater for Lifeをご紹介します。
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「水と消費」について、前編では水を取り巻く課題を紹介しました。後編では、ダッソー・システムズが、水資源のスマートな消費の在り方を模索するために取り組んでいるキャンペーン、Water for Life(ウォーター・フォー・ライフ)について紹介します。

ダッソー・システムズの「ウォーター・フォー・ライフ」とは?

ダッソー・システムズが2021年から取り組んでいるキャンペーン「ウォーター・フォー・ライフ」では、企業のウォーターフットプリント(財の生産に使用される水の総量を示す概念、もしくはその量)を測定および最適化し、サステナビリティに焦点を当てたイノベーションの開発を支援するとともに、重要な水資源について将来の世代を教育する上で、バーチャル世界がいかに大きな効果を発揮するかについて探っています。

その①「測定と最適化」:水の消費量を見える化

ダッソー・システムズは、産業界が3DEXPERIENCEプラットフォームで設計している製品またはプロセスに関連した水の消費量のデータを提供することにより、ウォーターフットプリントをよりよく理解するための可視性を提供します。

産業界は、このデータを使用して、さまざまな設計オプションの影響を理解し、水の消費量を最適化することができます。この統合機能によって、他の主要な環境指標(特にCO2、土地利用、毒性)に加え、環境面の「ライフサイクル分析」または総フットプリント計算を構成する豊富な指標に関するデータが提供されます。この手法では、商用製品、プロセス、またはサービスのライフサイクルの全段階に関連した環境インパクトが評価され、例えば製品からの総炭素排出量や、工業プロセスの総水消費量を理解するのに役立ちます。

その②「革新と創造」:オープンイノベーションで水質保全への取り組みを後押し

ダッソー・システムズのオープン・イノベーション・ラボ、3DEXPERIENCE Labには、世界各国のメイカーズ、個人、スタートアップも参加しています。これらの参加者の中には、水の消費量を削減するために破壊的イノベーションのアプローチをとる個人や団体も多くいます。

3DEXPERIENCE Labは、デジタル製品開発を加速するテクノロジー、メンタリング、ネットワーキングの完全なサポートシステムを提供しており、この開発の中核にあるのが、3DEXPERIENCEプラットフォームへのアクセスです。3DEXPERIENCE Labは4年以上にわたり、海洋に関連したサステナブルなソリューションの促進に取り組んでおり、水関連の課題に特化したプロジェクトを今後も促進していくことで、国連のSDGsをはじめ、さまざまな目標を支援していきます。

その③「教育」:海洋保護の課題を教育現場で伝える取り組み

海洋保護は長期的な課題です。ダッソー・システムズは、豊富な種類のカリキュラムと学校プログラムを通じて、将来の世代が水関連の課題を理解できるよう支援し、次世代の科学者やイノベーターがよりサステナブルな世界を創造するために必要とするスキルと適性を育みます。

ダッソー・システムズが2015年に設立したLa Fondation Dassault Systèmes(ラ・フォンダシオン・ダッソー・システムズ)は、フランスの「ミッション・オーシャン・プロジェクト」と提携しています。同プロジェクトは、海洋保護をテーマとし、中・高校生を対象とした、3Dとバーチャル世界を使用する革新的な教育プログラムです。この教育プログラムを通じて、バーチャル世界が切り拓く可能性を十分に生かしさまざまな方法で学習し、海が直面する課題を学び、環境問題への取り組みに自分がどのように貢献できるかを把握するとともに、将来自分がどのようなトレーニングを受け、どのような仕事に就きたいかを想像できるようになります。このプロジェクトにおいて、La Fondationは3Dやバーチャルユニバースの専門知識とスキルを提供しており、プロジェクトのパートナーとしてフランス教育省(教育コンテンツの作成と学校での配布のための教師向けプログラム)とIfremer(フランスの国立海洋開発研究所)も参画しています。

また、La Fondationはフランス以外の国でも、学生のスキル向上を目的に、工学系の学校や研究機関を支援しています。例えば、インドのウォルチャンド工科大学では、学生たちが湖沼や河川の浮遊固形廃棄物を回収するシステムを構築しており、その支援をしています。また、米国のオーリンカレッジとモントレーベイ水族館研究所では、地球上の最も辺鄙な場所を探索するためのリアルタイムVRツールを備えた新世代の深海水中ロボットが開発されています。

今後の「水と消費」のあるべき姿

世界の消費が水に与える影響とその管理方法の改善は、持続可能な開発のための緊急課題です。水資源を今後も利用するには、すでに生じている被害を食い止め、さらなる枯渇を防ぐべく、イノベーションへの新しいアプローチが必要です。世界はより多くを生産するのではなく、新しい消費方法で生産を変革し、向上させる必要があります。

ダッソー・システムズは、「ウォーター・フォー・ライフ」を通じて、この問題に対する社会全般の意識を高めるだけでなく、ウォーターフットプリントに取り組む企業が水資源への直接的な影響を減らし、イノベーターのエコシステムを育成して画期的な体験を生み出すほか、主体的・長期的な取り組みに学生が関与するのを促進する支援も行っています。

ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームとアプリケーションを備えたバーチャルの世界は、水関連の課題について、発見のための新しい可能性を切り拓いています。生産活動を通じて水の消費を減らし、さらにサステナブルな商品とサービスの開発につなげるとともに、人々に水の使い方についてより深く認識させ、変化を促すことができれば、製品、自然環境、人々の生活の間で調和をとることのメリットが世界中にもたらされるようになります。

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