サステナビリティJanuary 27, 2022

サステナビリティ・リードが語る「ダッソー・システムズがサステナビリティを重要な事業戦略とする理由」(後編)

何故ダッソー・システムズがサステナビリティをそれほどまでに重要視するのか、どのよ
header
Avatar ダッソー・システムズ株式会社

何故ダッソー・システムズがサステナビリティをそれほどまでに重要視するのか、どのようにサステナビリティに貢献しているのかー。後編では、ダッソー・システムズ日本法人のインダストリー・ビジネスコンサルタント 兼 サステナビリティ・リードである由利直美が、バーチャルツインがサステナビリティにもたらす可能性について解説します。(前編はこちら)

###

業界を問わず求められているサステナビリティの推進

ダッソー・システムズのソリューションは、国内外で、モビリティ、ライフサイエンス、ハイテク、都市・地域開発をはじめとする多くの業界のお客様に活用していただいています。サステナビリティは既に業界の垣根を越えて注目されており、多くの企業の経営方針にも組み込まれています。なかでも消費財メーカーや食品メーカー、小売業においては、サステナビリティの推進が急速にその重要性を増しています。

生活用品や食品・飲料は、私たちの日常生活とは切っても切り離せません。消費財メーカーはこれらを扱います。消費者は、これら生活用品や食品・飲料の品質・安全性・価格はもちろんのこと、それらから得るエクスペリエンス全般にも、極めて高い期待を抱いています。メーカー各社はそうした期待に応えるべく、妥協のない製品開発を進めています。

同時に消費財業界のメーカー各社には、製品開発の現場そのものをサステナブルにしていくことも求められています。新型コロナウイルス感染症の拡大は在宅勤務を後押ししましたが、多くの研究開発者の方々は、在宅ではなく研究室の現場に出向き、日夜開発を進めました。その理由の一つには、研究開発のプロセスやシステムが、そもそも「研究室という限られた空間の中でのみ行う」ことを前提に構築されていることがあります。一方で、技術および通信基盤の進展は、研究室以外の場所でも研究開発を進めることを既に可能にしています。研究開発対象をバーチャルツイン化して、クラウド化されたプラットフォーム上で共有することができるからです。これはコロナウイルス感染症拡大のような非常時にも研究開発業務を進めるための一つの解であり、また、今後企業がグローバル規模での多領域連携や共創を実現するための手法ともなります。

3DEXPERIENCEプラットフォームを活用することで、容器のデザイン最適化や軽量化も可能になる(🄫ダッソー・システムズ)

容器メーカーの事例:資源と輸送におけるサステナビリティ

また、消費財業界が取り組むサステナビリティ対応策の一つに、パッケージの刷新があります。シャンプーや洗剤は、従来、メーカー毎に専用のボトルを開発しパッケージングしたうえで販売していましたが、近年は詰め替え用のパウチを展開し、ボトル容器に使用するプラスチック材料を削減しています。また、シャンプーや洗剤を入れるボトル容器は、輸送途中で破損してしまうと商品価値を失ってしまうため、破損することなく確実に輸送して納品する必要があります。そのため、あるメーカーはバーチャルツインを活用して、ボトルの強度、サイズ、機能のバランスが最適化された容器の試作品をバーチャル空間上に作製し、衝撃や圧迫などで破損が生じる可能性をバーチャル空間上でシミュレーションした上で、実際に商品として耐えうるボトル容器のデザインや材質、構造を決定しています。

輸送面でのサステナビリティ対応策には、CO2削減があります。A地点からB地点まで破損することなく製品を輸送できるかどうか、車両や輸送機関で実際にいくつかの輸送シナリオをテストするケースもありますが、その場合はCO2排出量だけでなく、ロジスティクスに関わる人的コストが発生します。バーチャルツインを使って様々な輸送シナリオを検証し、配送ルートやトラック、配送スタッフ、輸送単位当たりの製品の数や重量を最適化することで、ロジスティクス全体でのCO2削減を達成できます。

このように、バーチャルツインを活用することで、製品開発からロジスティクスまでを包括的に捉えなおし、トータルでサステナビリティに貢献できる取り組みは数多くあります。環境に良いパッケージング、衛生上の安全性、輸送中の破損防止、環境にやさしい安全な素材でつくられた製品かどうかなど、消費財メーカーや小売業が直面する課題に対して、当社はバーチャルツインを提供して支援していきたいと思っています。

サステナビリティを目指していく上で重要なこと

『星の王子さま』の著者で有名なフランスの作家、サン=テグジュペリは、「未来については、予測することではなく、可能にすることが大切だ」と語っています。サステナビリティの「実現」についても同じことが言えると思います。

サステナビリティの実現においては、目的や具体的なゴール設定が特に重要です。主観的・感覚的に環境に良さそうなことを選択するだけでは、効果測定が困難で、継続的に取り組みを続けることは到底できません。例えば、「XX年までにXXというKPIをXX%削減する」というように、いつまでにどれくらい削減するかなど、具体的に何にコミットするのかを明確な数値目標として設定することが大切です。

ダッソー・システムズは、各企業や組織が設定する事業目標に沿って、バーチャルツインをはじめとするデジタルトランスフォーメーションの支援に注力し、お客様がサステナブルなイノベーションを推進し、実践する一助となれるよう今後も努めていきます。

###

ご参考リンク:ダッソー・システムズの消費財・小売業界について

読者登録はこちら

ブログの更新情報を毎月お届けします

読者登録

読者登録はこちら