サステナビリティMarch 12, 2021

【SDGsとデジタル化の掛け算】1: いまさらだけどSDGsとは?

持続可能な世界創りを見据えた社会の変化やそれを支える当社の理念経営、ビジョン、テクノロジー、サービスなどについてできるだけ分かりやすく語っていきます。
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Avatar 立田 新 (Arata Tatsuta)

ダッソー・システムズでサプライチェーン・生産技術・生産管理・製造実行領域(DELMIA製品)でコンサルタントをしている立田です。

このシリーズでは持続可能な世界創り(SDGs)を見据えた社会の変化やそれを支える当社の理念経営、ビジョン、テクノロジー、サービスなどについてできるだけ分かりやすく語っていきます。

このブログの読者の多くの方はSDGs(エスディージーズ)という言葉をネットやTVなどで聞かれたことがあるのではないでしょうか?もしくは17色のカラフルなピンバッジをつけている方を見たことがあるかもしれません。

では、改めて「SDGsについて説明を」と求められたら、どうすれば良いでしょうか。実は「誰が・いつ・何を」の3つのキーワードがポイントになります。

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で、「持続可能な開発目標」と訳されます。2015年9月の国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ(the 2030 Agenda for Sustainable Development)」として示され、2016年から2030年の間の達成を目指しています。SDGsのアジェンダの中には17の目標、169の基準、232の指標(*1)が含まれており、193ヶ国が合意しています。

あえて簡単に言い換えると「このままでは立ち行かなくなるので、世界全体として抱えている問題をみんなで共有・協力して2030年までの解決を目指しましょう」となります。

「このままでは立ち行かなくなる」の分かりやすい例が消費・環境問題です。世界保護自然基金(WWF)は、人間の自然資源(森林や海洋、農場など)に対する需要が現在のペースで増加し続けると、2030年には地球2つ分が必要になる(*2)としています。これは地球が持っている生産力(復元力)をはるかに超えて、人間が消費活動を続けていることを意味しています。つまりこのまま消費を続ければ自然資源が枯渇し、立ち行かなくなるのです。「持続可能」という言葉が使われているのは、現状維持では地球も私たちの生活も「持続しない」事実を再認識するためといえます。

SDGsでは「世界全体として抱えている問題」を「17の目標」 として提示しています。いずれも消費・環境関連問題(エネルギーや気候変動、海の豊かさ、陸の豊かさ)だけではなく、貧困や飢餓、健康・福祉、教育、ジェンダー、水とトイレ、働きがい、産業・技術革新、不平等、まちづくり、責任、平和と公正、パートナーシップなど多岐にわたります。

「17の目標」は、目標ごとに複数の基準が設定されており、合計で「169の基準」が設定されています。また、各基準にも1個以上の指標が設定されており、合計で「232の指標」が存在します。

たとえば1つ目の「貧困をなくそう」(SDG1)には、7個の基準が設定されています。1つ目の基準は「2030年までに極度の貧困(1日1.25ドル未満で暮らす人々と定義)を世界からなくす」(立田訳:By 2030, eradicate extreme poverty for all people everywhere, currently measured as people living on less than $1.25 a day)と定義されており、指標は「国際的な貧困ラインを下回っている人口の割合(性別や年齢、就業状態、地理的場所)」(同上:Proportion of population below the international poverty line, by sex, age, employment status and geographical location)と定義されています(*3)。

SDGsの特徴の一つに具体的な指標設定があります。一部を除いたほぼすべての指標が定量的(率、または量・数)に設定されており、段階的な目標設定や進捗測定ができるようになっています。毎年、同意国の進捗が発表されていますが、日本は進捗が報告されている166ヶ国中、17位となっています(*4)。

SDGsは国・自治体や企業が取り組むものと捉えられることもありますが、一番重要なのは私達市民の意識や日々の行動を変えていくことだと思っています。次回は今後、SDGsを見据えて世界がどう変わっていくかを概念的に紹介したいと思います。


<参考・備考>

*1:THE 17 GOALS
https://sdgs.un.org/goals
goals(目標)、targets(基準)、indicators(指標)と訳しています。

*2:なぜ環境問題に取り組むのか
https://www.wwf.or.jp/aboutwwf/earth/

*3:End poverty in all its forms everywhere
https://sdgs.un.org/goals/goal1
2015年10月に1日25ドルから1日1.90ドルに改訂されましたがUNホームページを参考にしているためそのまま表記しています。

*4:Sustainable Development Report 2020
https://dashboards.sdgindex.org/rankings

*5:Sustainable Development Report 2020 (Japan)
https://dashboards.sdgindex.org/static/countries/profiles/Japan.pdf

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