【第9章 情報爆発からのデータ活用】78 : Platformとは仕事のインフラ、意識されないことが理想
ダッソー・システムズの工藤です。9章の最後の記事となります。ここでは、ダッソー・システムズが提唱している3DEXPERIENCEプラットフォームの、“Platform”がなぜ必要かについて話をしましょう。本ブログでは、製品の話はしないという方針にしているので、What is Platformではなく、Why Platformの視点で見てみます。本ブログの70号「Digital Transformation時代のシミュレーションの役割」で、Digital Transformation (DX) に共通するIT基盤がPlatformなのだという説明をしています。みなさんが普段使っている、アマゾンや楽天を代表とするElectric CommerceやFacebookやTwitterなどのSNSは、Platformの上で動いているのですが、皆さんはPlatformのことなど全く意識することはないはずです。単にログインして、テキストを書き込み、写真を添付するだけ、あるいは、欲しい商品を探して注文するだけです。PCからでも、スマホからでもアカウントさえ持っていれば、いつでもどこでも同じことができ、過去の履歴も見れて、だれにでもどこにでも転送やシェアをすることができます。操作にストレスを感じることなく、自在に使うことができているでしょう。このように、Platformを使っていることを意識することなく、あらゆる情報がつながって様々な”仕事“ができていることこそが、Platformの価値です。Platformはあくまで裏方なので、表には見えない方がいいのです。家で言えば、基礎・土台ですから見える必要はなく、その上に立つ柱や壁をしっかり支えてくれればいいのです。
ここで、仕事をするうえでの、Platformのありがたみ(価値)を、現状(Platformを使う前)、今後(Platform活用後)との比較で示したのが、下記の表になります。
現状=>今後の変化が、単に大きいのではなく、不連続的に異なっていることがわかるでしょう。まさに、Digital Transformation(改革)たる所以なのです。現状がいかに効率が悪いか、今後の効果がどれだけ大きいのか、この変化の度合いを想像してみてください。これを実施できた企業とできていない企業ではどれだけ差がつくのかを想像してみてください。“今後”を実現できた企業は、“現状”に戻ることなど考えられないでしょう。完全に世界が違うからです。Electric CommerceやSNSが登場する前、世の人々はそれらの存在を想像できませんでしたが、いまやそれらがなくなる世界をもはや想像できないことと同じです。水や電気というインフラがない世界では生活できなくなるのと同様、Platformを基盤とした便利なしくみなしには生活できない、そのような状況になっています。この波が、製造業にも確実に押し寄せている、それがPlatformが実現するDXの世界です。
Platformが浸透していない段階では、Why Platform, How Platform, What is Platformのすべてを語らなければなりませんが、一旦浸透してしまえば、Platformを使っていることを意識しなくなるでしょう。Platformを語る必要がなくなります。それがPlatformです。あるお客様の言葉がいまでも耳に残っています。“製品としてのPlatformを利用者に説明するのは止めたほうがいい、なぜなら、利用者はどんな変化も嫌がるから。それよりも、いつの間にか便利なしくみが出来ていて、いつの間にか使っている状況にしてしまうのが一番いい。そういうのが本来のPlatformだ。”と。うなずけるものがありましたので、私も今、同じことを語っています。ということで、この記事では、何度Platformという言葉を使ったか数えきれないぐらい使いましたが、このお客様の言葉に従うと、Platformという言葉を使わなくてもよくなってしまう世界がある意味理想なのです。今回の記事では、28回Platformという言葉を使っていますから、それが実情を表しているともいえるでしょう。新しい世界に飛び込みませんか、皆さん!さて、ダッソー・システムズは、製造業で培ってきた技術を人間の世界(Life Science)に拡張する方針“From Things to Life”を打ち出しています。Platformが適用される領域に制限はないのです。
【ご意見・ご相談窓口のお知らせ】
ブログを執筆している工藤啓治の下記メールアドレスに直接コンタクトして、当ブログに関連したテーマについて意見交換や課題相談をすることができます。また、当ブログがどのように活用されているかについて何か書けないかと構想しております。ぜひ皆様からの活用方法やこの記事が参考になったなどの例についてもフィードバックいただけるとたいへんありがたいです。
keiji.kudo@3ds.com (全角@を半角@に書き換えてください)
<フォーム>
- お名前:
- 所属組織名:
- 部署名:
- お役職:(省略可)
- ご意見・ご相談内容・活用例
<ご注意>
個人メールアドレスではお受けできません。所属組織のメールアドレスにてご連絡ください。
受け付けの期限は、2020年末とさせていただきます。