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設計・シミュレーションNovember 9, 2022

MODSIMは何を変えるのか。モデリングとシミュレーションの融合

ダッソー・システムズが提唱するMODSIM:モデリングとシミュレーションの統合についてご紹介。MODSIMとはモデリングとシミュレーションを単一環境の共通データモデルでシームレスに統合することを指します。これにより、製品開発に関わる仕事を合理化し、分野を横断した協調環境でイノベーションを加速させることが可能となります。
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ダッソー・システムズが提唱するMODSIM:モデリングとシミュレーションの統合についてご紹介

ダッソー・システムズでは、12月7日~16日まで3DEXPERIENCE Modeling and Simulation Conference 2022をオンラインで開催します。

このイベントは、ダッソー・システムズが提唱するMODSIMをテーマにしています。MODSIMとはモデリングとシミュレーションを単一環境の共通データモデルでシームレスに統合することを指します。これにより、製品開発に関わる仕事を合理化し、分野を横断した協調環境でイノベーションを加速させることが可能となります。

このブログでは、新しいアプローチであるMODSIMを次世代の製品設計システムとしてどのように実現するかについて簡単にご紹介させていただきます。(英文はこちら

背景: 科学的根拠に基づくモデリングとシミュレーションの簡単な歴史

CAD(Computer Aided Design、コンピュータ支援設計)によるモデリングやCAE(Computer Aided Engineering、コンピュータ支援エンジニアリング)によるシミュレーションといったコンセプトは、ルーツをたどると1970年代後半にまでさかのぼります。1990年代には、単純な部品の応力解析や流体予測といった製品設計上の問題に対し、シミュレーションが有用であると考えられるようになりました。科学的根拠に基づくモデリングとシミュレーションが、現実の複雑な物理モデルをロバストかつ一貫して再現できることが広く受け入れられるまでには長い年月がかかりましたが、現在それらは設計プロセスに完全に受け入れられ、あらゆる産業で利用されています。

モデリングとシミュレーションの新しいアプローチ

このようにモデリングやシミュレーションは長い年月をかけて広まりましたが、その一方でそれらに対するアプローチは基本的に変わらないままでした。例えばシミュレーションは、精度を向上することやよりリアルなシミュレーションを実現することに主眼が置かれ続けてきました。しかし現代において、シミュレーションを用いた製品設計開発にて結果の精度を確保することは当然であり、その効率性やロバスト性、モデリングとの統合が重要な差別化要因になりつつあります。次世代の製品設計システムを構築するためには、モデリングとシミュレーションをどのように行うかというアプローチを見直す必要があるのです。

MODSIMによるモデリングとシミュレーションの統合化

3DEXPERIENCEプラットフォームを活用したMODSIMというコンセプトは、非常にシンプルですが、その効果は広範囲にわたります。モデリングとシミュレーションの統合であるMODSIMは、両者の背後にあるCAD/CAEデータモデルを統合し、完全に一体化したものとします。データモデルの統合によりシミュレーションモデルを作成するためにCADデータをエクスポートしたり変換したりする必要がなくなるため、シミュレーションモデル作成に着手する時点で早速大きなメリットを感じられるでしょう。しかしデータモデル統合の最大のメリットは、CAD側が持つ履歴やパラメータ、部品の接続関係といったデータがCAEデータと完全に紐付けられていることです。これによりCADデータが更新された際にCAEデータが追従して自動的に更新されるようになりますし、このことを利用してパラメトリックCADモデルを使った設計空間探索も容易になります。

シミュレーションを考えるとき、私たちは通常、CADモデル作成からシミュレーションによる性能評価までの一連のプロセスに着目しがちですが、もちろん、どのような設計においても、このプロセスだけで設計が完結するわけではありません。シミュレーションを行う理由は、与えられた要求や目標とするKPIに対して、設計中の製品の性能を検証し最適化するためです。つまり、シミュレーションはより広い設計開発プロセスの一部として、その入力と出力を他のプロセスと接続する必要があることを意味します。

ここで、3DEXPEREINCEプラットフォーム上でMODSIMアプローチを実現していることが真価を発揮するのです。プラットフォーム上で実現されたMODSIMでは、MODSIMにより統合されたCAD/CAEデータベースはPLMシステムにも直接接続されていることとなるため、容易にPLMデータとCADデータやCAEデータを同期させることができ、従来の接続されていないシステムよりも大幅に効率化されます。

もちろん、シミュレーションは単独で行われるのではなく、製品の要求や目標KPIを満たしているかを検証するための全体的な性能評価戦略の一部です。3DEXPEREINCEプラットフォームはシミュレーションの実施だけでなく、シミュレーションを性能評価プロセスとして管理する機能も備えています。すなわち、シミュレーションを製品要求やKPIと紐付けたり、性能評価を計画通り実施するためのスケジュールと紐付けたりすることができます。性能評価において起こった問題や変更要求の管理、さらには製品全体の納入計画やマイルストーンの管理まで、すべて3DEXPEREINCEプラットフォームの単一の統合環境上で行うことができます。

MODSIMによるモデリングとシミュレーションの自動化

どの企業においても業務のスリム化や効率化を目指して努力と工夫を積み重ねています。そのため、シミュレーションのワークフローを最大限まで自動化することも重要なことでしょう。典型的なシミュレーションの自動化と言えば、スクリプトやカスタマイズされたGUIを使用して反復作業を効率化することを思い浮かべることでしょう。しかしこれらのソリューションは特定の作業のみに特化したものであることが多く、頻繁なメンテナンスが必要となります。3DEXPERIENCEプラットフォームの自動化機能は、専門知識やメンテナンスがほとんど必要なく、直感的に使える自動化ソリューションを提供することが可能です。

MODSIMによるモデリングとシミュレーションの大衆化

シミュレーションの専任者は、その技術を熟練させるまでにはかなりの専門知識と経験が必要となります。そのような貴重な専任者に同じワークフローのシミュレーションを繰り返し実施させることは、非常に効率の悪い活動であると言えます。これまでに述べた統合化・自動化の過程では、シミュレーションのワークフローは属人的な要因が自然と排除され、標準的なワークフローが確立されることになります。そういった標準化ワークフローを自動実行する仕組みがあれば、ワークフローは設計者のようなシミュレーションを専門としない技術者でも簡単に利用できるようになります。これにより、設計プロセスを大幅にスピードアップさせることが可能になり、設計者はいろいろな設計を事前検証することができます。一方でシミュレーションの専任者は定型的なシミュレーションモデル作成作業から解放され、より専門性の高い作業に集中することができます。

まとめ: 科学的根拠に基づくモデリングとシミュレーションの未来

今後進むと思われるモデリングとシミュレーションのアプローチの見直しにより、未来の製品設計システムでは統合されたモデリングとシミュレーションを中心に構築されていくことには疑いの余地はありません。そのため、各業界をリードする最先端企業が、競争力をより高めるためにダッソー・システムズのMODSIMに注目したことは、何ら不思議なことではありません。F1チーム、自動車OEM、航空宇宙・ハイテク企業はいずれも、モデリングとシミュレーションを統合するアプローチこそが、競合他社より一歩先に進めると判断しています。

3DEXPERIENCE® Modeling and Simulation Conference 2022では、業界のリーダーたちがMODSIMアプローチによって生産時間の短縮や業務効率化を推進することによって、どのように製品開発の迅速化や品質の向上を図っているかを見て頂くよい機会です。このカンファレンスは、ダッソー・システムズからのMODSIMの詳しいご紹介に加え、ヨーロッパとアメリカにて既に発表いただいたお客様の事例に日本語字幕をつけてご紹介いたします。

◆MODSIMについてもっと知りたい方は、MONOist特設ページにアクセスください。

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/special/mo220804/index.html

MODSIMの可能性(1)モデリングとシミュレーションのプロセスを

統合すると設計開発はこう変わる

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2209/06/news002.html

MODSIMの可能性(2)プラットフォームが全てをつなげ、製品開発を

変革へと導く

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2209/12/news005.html

軽量化技術 要件駆動の「ジェネレーティブデザイン」が軽量化

に革新を起こす

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2210/11/news003.html

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