ネッキング変形するチタン製ドッグボーン型試験片

※本ブログは、SIMULIA Blog （英語版）で既に発表されたブログの日本語参考訳です。

ネッキング変形するチタン製ドッグボーン型試験片のパラメータ同定には、過去の事例もありますが、ここでは線形弾性と塑性材料モデルの組み合わせを使用してチタンをモデル化しました。過去の事例については、こちらからご確認ください。  Necking of a titanium dogbone specimen  (弾塑性解析、1,500要素、6,150自由度、１回の解析実行時間13秒未満、2020年11月公開)。

今回この事例を次のようにアップデートしました。

1. 最新の材料キャリブレーションアプリを使用

2. 超弾性と塑性材料 (FeFp)モデルを対象とし、有限要素モデルを使う同定モード（FE モード）で Marlow または Valanis-Landel 超弾性モデルの“すこし変わった”使い方を利用

FeFp とは何を意味していますか?  古典的な塑性理論では、全ひずみを弾性ひずみと塑性ひずみの加算分解が使用されていました。 Simoは、有限ひずみ J2 塑性に関する論文で、変形勾配を F = FeFp と掛け算で仮定して流れ則と硬化則を導出することを提案しました。 つまり、変形勾配の乗算分解です。

Marlowモデルと Valanis-Landel (VL) モデルのユニークな点は何ですか?  Abaqus のほとんどの超弾性モデルは数式で記述され、材料パラメータによってそれらの式を定義します。Marlowと VLでは、試験データを直接使用してモデルを定義します。  Marlow は単一の試験データを使用し、VL モデルは2種類の試験データを使用します。これらの試験データには、単軸、二軸などの変形モードによるものが必要です。

注: 上で述べた「少し変わった使い方」とは、「FE モードで Marlow または Valanis-Landel 超弾性モデルを使用する際のこと」です。  AnalyticalモードまたはNumericalモードで試験データをインポートする場合には、下図のように変形モードを選択するように求められます。

FE モードでは、パラメータ同定に使用される試験データ (FE結果と一致させる実験データ) は一般的なものが使えます。たとえば、3 点曲げテストや押し込みテストからの力や変位などのデータです。このため、FE モードで試験データをインポートするときは、変形モードを選択できません。変形モードは FE モデル自体によって定義されます。

Marlow モデルまたは VL モデルを FE モードで使用したい場合は、まずAnalyticalモードまたはNumericalモードでMarlow モデルまたは VL モデルを定義するデータをインポートする必要があります。以下のビデオでそれを説明します。

以下のビデオは、Cloud版の3DExperience R2024x、HotFix 4.20 を使用して、2024 年 8 月 12 日に作成されました。

この例を再作成するために必要なすべてのファイルは、この記事の下部にある zip ファイルに含まれています。

Marlow_FeFp_1c.mp4 という名前のこの最初のビデオでは、材料パラメータ同定のセットアップと同定が成功する様子が示されています。  この材料パラメータ同定の3dxml ファイルは、添付の zip ファイルに含まれています。

以下のビデオは、Cloud版の3DExperience R2024x、HotFix 4.20 を使用して、2024 年 8 月 14 日に作成されました。 

この不具合が原因で失敗につながるアクションをビデオの 1:30 あたりで指摘しています。

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サンプル ファイルにアクセスするには、SIMULIA Communityの投稿にアクセスして、zip fileをダウンロードしてください。

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