ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームは、知識とノウハウのプラットフォームであり、企業と人々が全く新しい方法でイノベーションを起こすためのゲームチェンジャー的なコラボレーション環境です。3DEXPERIENCEプラットフォーム上には、現在、13のブランドアプリケーションがあります。
全体の概要についてはこちらの記事をご覧ください。→ダッソー・システムズの13のブランドとは
今回は、製品のデザインとエクスペリエンスを実現することを目標とし、世界をリードするソリューションであるCATIAをご紹介します。CATIAブランド担当の長谷川さんに話を伺いました。
―役職と仕事内容をおしえてください
CATIAデザイン領域のインダストリープロセスコンサルタントです。業界には特化せず、主にお客様(主にメーカー)のデザイン部門に対して、プロセスの効率化やクオリティの向上など、お客様の抱えている課題を解決する提案を行なったり、CATIAの導入や活用のお手伝いをさせていただいたりしています。
― CATIAの主な機能をおしえてください
航空機の開発ツールとして始まったハイエンドレベルの3D-CADです。
CATIAは大きく3つの領域に分かれており、1つ目はインダストリアルデザイナーのためのデザイン/スタイリング領域、2つ目はメカ設計者のためのエンジニアリング領域、3つ目は電機設計やシステム設計等、複数の専門分野を統合するシステム・エンジニアリング領域です。製品開発のそれぞれのプロセスで、イノベーティブな開発のためのソリューションとして貢献しています。それぞれの領域の下に、様々な機能がついています。
―CATIAを使うメリットは何ですか?
例えばデザイン領域ではコンピュテーショナルデザインやVRコラボレーション、エンジニアリング領域では、トポロジー最適化設計、システム・エンジニアリング領域では、デジタル解析とシミュレーションを組み合わせたデジタルプロトタイプ等、全ての領域で最先端のテクノロジーを駆使したツールを使うことができる点は、大きなメリットだと思います。もちろん基本的な機能についても、ユーザーからの要望を受けながら熟成を重ね、洗練された操作性や細かな機能の充実ぶりでも他を圧倒していると思います。
―CATIAは主にどのインダストリーを対象としていますか?
ビジネスサービス以外の10のインダストリーに関わっています。例えば一見関連性が分かりにくい医薬品・医療機器業界であっても、義手の設計等、特に高度な技術を活用しなければならないような製品ではCATIAが活躍しています。
―どんな職種の人たちに使われていますか?
インダストリアルデザイナー、メカ設計者、電気設計者、システム設計者等、製品の開発に関わる職種の方が中心ですが、高度な機能がありますので、研究者の方にも使われておりますし、大学や専門学校でも導入されています。
―身近な国内事例はありますか?
大手の自動車メーカーをはじめとして、航空機、電気・電子、機械など、幅広く活用していただいています。
―昨今の新型コロナウィルス関係で役に立った事例はありますか?
ダッソー・システムズの公式ブログにも掲載されていますが、COVID-19対策用の人工呼吸器をインドのNPOがわずか8日間で開発した事例があります。
オープン・イノベーショ ン・ラボ である3DEXPERIENCE Labを活用し、安全かつ手頃な価格で製造しやすい「スマートベンチレーター」(人工呼吸器) を超短期間で開発するのに、CATIAが大きく貢献しています。
―今後はCATIAをどう展開していきたいですか?
個人的にはCATIAと言えばプロ中のプロのためのハイエンドCADという印象で、機材や使いこなしのハードルの高さがあったのですが、WEBアプリケーション型の3D Shape Design等、タブレットPCでも使えて、最先端の機能を備えた革新的なアプリケーションも登場してきました。そこでこれからは、これまでとは違うユーザー層にも広く展開して行けるのではないかと考えています。