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March 17, 2022

建設通信新聞のBIM/CIM未来図に取り上げられました(後編)

建設通信新聞の連載「BIM/CIM未来図」に、当社のお客様である鹿島建設様の活用事例が掲載されました。このたび日刊建設通信新聞社の許諾をいただき、二日間に分けて記事を転載いたします。
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建設通信新聞の連載「BIM/CIM未来図」に、ダッソー・システムズのお客様である鹿島建設様の活用事例が掲載されました。このたび日刊建設通信新聞社の許諾をいただき、二日間に分けて記事を転載いたします。前編はこちらから。

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モデル追随し設計5割効率化

製造業で一般的なダッソー・システムズの3次元CADソフト『CATIA』だが、土木分野への普及が加速している。2010年から上海を中心に数多くの橋梁設計を手掛けるSMEDIと土木に特化した製品開発を進め、その後に中国全土へと波及した。日本の企業への導入が広がり始めたのは19年に入ってからだ。鹿島が床版更新プロジェクトへのCATIA適用を準備する中で、テンプレート整備などを支援してきた大塚商会の馬場真郎BIM・CIM/i-con担当専任課長は「当社にとっても大きな一歩だった」と手応えを口にする。

これまでは製造業に対してのCATIAの導入サポートが主で、建設分野に特化したCATIAエンジニアの育成が遅れていた。大塚商会は鹿島へのサポート対応と併行し、社内教育で建設系CATIAエンジニアの育成を本格化した。PLM特販2課の相川創アプリケーションエンジニアは「土木分野は製造業に比べ複雑な曲面が少ないので、パラメーター制御がやりやすく、CATIAの強みを発揮しやすい」と説明する。

ダッソー・システムズの森脇明夫建築・建設業界インダストリー・マーケティング・ディレクターが「ナレッジテンプレートの蓄積によって経験値が高まり、より効率的な設計が実現できる成長性がCATIAの特徴」と強調するように、プロジェクトごとに工事条件が異なる建設分野とCATIAの相性は良い。

鹿島の佐々木優介橋梁・インフラ更新グループ設計主査は「形状変更に追随してCATIAモデルがリアルタイムに修正されるため、これまでの図面修正に費やしていた手間は大幅に解消できる」と力を込める。モデル内の複雑な配筋も連動して修正され、その都度行っていた設計計算の時間短縮にもつながる。そうしたCATIAの持つ「自動生成」力によって、設計作業の進め方は大幅に改善できる。

3次元の導入効果は、設計作業だけではない。床版の製造工程に詳細なデータを活用できるほか、組み立て工程の事前検証にもデータの活用が可能だ。使用材料の数量もモデルの属性情報を使って厳密に把握でき、床版タイプの最適化も迅速に導き出せる。設計段階から施工段階に3次元モデルデータを引き継ぐことができれば、より精度の高い施工を実現できる。ダッソー・システムズの森脇氏も「CATIAと3DEXPERIENCEプラットフォームを活用してデジタルコンストラクションを実現してほしい」と期待している。

テンプレート整備し実適用段階へ Ⓒ鹿島建設

連続性ある構造物への適用拡大

国土交通省のBIM/CIM原則化は、設計から施工、さらには維持管理へと3次元データを一貫利用し、プロジェクトの全体最適化につながることが狙い。鹿島はその流れを強く意識し、床版更新工事を出発点に、PC橋梁箱桁やボックスカルバート、シールドセグメントなど連続性のある構造物にも展開する方針だ。

佐々木氏は「モデルの追随性によって図面作成の手間は大幅に減らせ、従来比で約5割の時間短縮とコスト削減の効果がある」と試算している。施工段階でも3次元モデルデータの活用効果は大いに期待できる。南浩郎グループ長は「トライアルの成果を社内外に広く発信し、業界への3次元普及のきっかけをつくりたい」と考えている。同社は生産性向上の新たな扉を開こうとしている。

(2022年3月10日 建設通信新聞掲載)

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