
2025年、日本は国際博覧会(以下、大阪・関西万博)という世界規模の舞台で、「未来社会」を世界に問いかける特別な一年を迎えました。
社会課題が複雑化し、持続可能な成長のあり方が問われる今、この万博は「技術は社会に何をもたらすのか」を改めて考える機会でもありました。
当社は、この特別な一年を通じて、環境・社会課題に向き合うポジティブな未来像を提示し、日本市場に根ざし、日本企業の変革を支えるフランス発のテクノロジーパートナーとして、多様な活動を大阪万博と連動して展開しました。
フランス館の主催会社であるCOFREXとのパートナーシップのもと、シルバースポンサーおよびテーマスポンサーとして参画。
フランス館は「愛の讃歌(A Hymn to Love)」をコンセプトに、人と人、人と社会、そして未来へのつながりを表現し、6か月間で約470万人の来場者を迎えるという大きな成功を収めました。
本記事では、そのフランス館とともに、当社がどのような想いで、どのように関わってきたのか、その歩みを振り返ります。
TELEPORT 1/1によるフランス館の設計支援
「構想段階から、未来を共有する」
ソフトウェア企業である当社が、どのように大阪万博に関わっていたのか。疑問に思われる方も多いかもしれません。
私たちの関わりは、展示が完成してからではなく、パビリオンの建築“構想段階”から始まりました。
当社は、フランス館を担当するフランスの展示会運営会社COFREXと提携し、シルバースポンサーとしてTELEPORT 1/1を活用し、フランス館の設計を支援しました。
TELEPORT 1/1によってフランス館のバーチャルツインを構築し、設計内容を可視化し、より安全かつ効率的な意思決定を可能にしました。 VR空間上で行われた設計会議では、建築家や空間デザイナー、プロジェクト運営関係者が同じ視点で空間を確認しながら議論を実施。さらに、建築分野にとどまらず、公共・民間の多様なパートナーも設計に参画することができました。
これは、バーチャル世界を活用することで「合意形成の質」を高める、新しい共創の形でもあります。

テーマスポンサーとしての挑戦:Health Week と Space Week
「未来社会の課題に、真正面から向き合う」
当社は、空間づくりにとどまらず、万博のテーマそのものに深く関わることを選びました。
テーマスポンサーとして、フランスパビリオン内で開催された2つのテーマに参画し、イベントを開催しました。
「ヘルス」テーマ(6月)
ダッソー・システムズ本社から、ライフサイエンス・ヘルスケア担当バイスプレジデントのClaire BIOTが来日。
「バーチャル・ヒューマン・ツイン」を軸に、医療・ヘルスケアの未来像を、日本で同テーマに取り組む企業の皆様と共有しました。
製薬、医療機器、消費財・食品など、異なる業界のリーダーが一堂に会し、予防医療、個別化医療、ウェルビーイングといったテーマについて活発な議論が展開されました。
人体のバーチャルツインというアプローチを通じた、当社の貢献について共有ました。

「スペース」テーマ(9月)
航空宇宙・防衛産業担当バイスプレジデントのDavid ZIEGLERが来日。
3D UNIV+RSESやシステムズエンジニアリングを通じて、複雑化する航空宇宙産業のDXをどのように推進するかを、日本の業界を牽引する企業幹部のみなさまに紹介しました。
構想から設計、製造、運用までを一気通貫でつなぐことで、日本の産業が直面する「複雑性」という課題に対する、現実的かつ持続可能な答えの1つになると語りました。

日本の産業変革を、次世代へつなぐ取り組み
「未来を考える人材とともに」
フランス館での活動に加え、当社は万博会場内外でのさまざまなイベントに参加し、次世代人材や社会課題への取り組みについても活動しました。
- XROBOCON 2025:3DEXPERIENCE上のSOLIDWORKSを提供し、若手エンジニアの挑戦を支援
- Women’s Pavilion in collaboration with Cartier:ジェンダーと多様性をテーマにしたパネルディスカッションに参加
- Women in Tech Global Summit:STEM分野におけるインクルージョン推進への参画
これらの活動に共通するのは、「未来は技術だけでなく、人によって形づくられる」という考え方です。
「製品、自然、生活の調和」という当社のパーパスを、こうした活動を通してより社会へ伝えることができました。
万博会場から、日本市場全体へ ― ブランド体験の拡張
万博期間中、当社はフランスパビリオンという空間にとどまらず、関西エリア全体でブランド体験を広げる取り組みを行いました。
当社年次イベントであります、3DEXPERIENCE CONFERENCE JAPAN 2025の開催時期と同時に、
- 関西国際空港・伊丹空港での広告展開
- 大阪市内主要バス停、タクシーサイネージ
- 「VirtualWorldsForRealLife」を掲げた一貫したメッセージ発信
これにより、これまで当社を知らなかった方々にも、私たちの価値観に触れていただく接点を創出することができました。

終わった後でも、まだ体験できる!?
当社はフランス館主催会社のCOFREXとともに、大阪万博で実際に展示されたフランス館の360度映像を共同制作しています。
「万博ロス」と言われる今だからこそ、ぜひもう一度、フランス館の世界観を体験してください!
https://franceosaka2025-tour.fr/
「バーチャル世界が、現実世界を高める」。
この価値のもと、フランス館の設計に貢献し、万博という世界的なイベントを通じて、日本企業の未来と社会の発展を支える一員として活動できたことを、誇りに思います。
