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都市・公共February 9, 2022

レンヌ都市圏:バーチャル・レンヌで都市計画【COMPASSマガジン】

都市圏全体をバーチャルツインで3Dデジタルモデルにし、持続可能な都市運営・開発を目指すレンヌ都市圏。
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都市には複雑性がつきものです。フランス、ブルターニュ地域圏のレンヌ都市圏(レンヌ・メトロポール)も例に漏れず、43のコミューン、50万人近くの住民、1万8千以上の企業を抱えており、これらに対し、公平性と効率性をもってサービスを提供する必要があります。また、現代的できらびやかな高層ビルと数世紀を経た古い建物を共存させて、地域に歴史的な魅力を与えなければなりません。さらに、公害や交通、エネルギー効率、緑地など、生活の質に関する課題の管理も求められます。

こうした矛盾しあう課題のバランスをとるための、レンヌ都市圏のデジタル時代のアプローチをご紹介します。

この複雑な都市圏を管理するための重要なリソースの一つが、都市圏全体をインタラクティブなデジタルの3Dのモデルにしたバーチャル・レンヌです。バーチャル・レンヌはバーチャルツイン・エクスペリエンスの一例であり 、既存の建物だけでなく企画段階の建物を含めた詳細なバーチャルモデルで都市を「体験」できます。また、オンラインの単一のプラットフォームでホストされているので、すべてのステークホルダーが最新情報を得た上で、一致協力して課題に取り組むことができます。(画像提供:レンヌ・メトロポール)
バーチャル・レンヌによって、都市圏の計画の担当者は、都市の目に見える部分だけでなく、より深い部分に目を向けることができます。(画像提供:File2Factory)
ーチャル・レンヌは、必要に応じた詳細度で、都市の過去を理解することや、現在の状況を明らかにするデータにアクセスすること、未来に向けた計画を分析、管理することを可能にします。(画像提供:レンヌ・メトロポール)
静的な記録や地図を多用する従来の都市計画とは異なり、バーチャル・レンヌは動的で、都市の成長と発展に合わせて変化します。成長を続ける充実したデータが支える3Dモデルとフォトリアリスティック・レンダリングによって、プロジェクトに関する立ち話でさえ、十分な情報に基づいて行うことができるのです。(画像提供:File2Factory)
バーチャルツインは、都市計画の議論に新たな面をもたらします。バーチャルツインで構築したモデルは、ノートパソコンで共有したり、スクリーンに映したり、プロジェクトの全体や細かい部分にフォーカスするために操作したりできます。また、モデルを動かすすべてのデータに数クリックでアクセスでき、モデルの背後にある充実した詳細情報をいつでも確認できます。(画像提供:File2Factory)
バーチャル・レンヌを構築する前は、たとえば電力需要の情報は地区ごとにしか把握できず、傾向の特定、追跡、管理が困難でした。バーチャルツイン・エクスペリエンスで得られるデータを活用すると、都市圏の計画担当者は都市全体の情報をすばやく分類し、フィルタリングすることができます。建物単位から都市圏全体のビューまで、必要に応じて詳細にも複合的にも表示できるのです。(画像提供:レンヌ・メトロポール)
バーチャル・レンヌは、交通計画の簡素化にも役立ちます。この画像はプロジェクトマネージャーが、新規開発エリア付近の地下鉄の駅と、同エリアで運行するバスのルートを確認しているところです。レンヌ都市圏は、旅客にとって便利なオプションを確保し、公共交通機関が予想される利用者の増加に対応できることを保証することで、民間による自動車交通量の増加の回避を支えています。(画像提供:レンヌ・メトロポール)
バーチャルツイン・エクスペリエンスによって、計画を決定した場合の累積的影響の評価も容易になります。たとえば、レンヌ都市圏は大気質センサーのネットワークを管理していますが、このネットワークをバーチャル・レンヌに接続すると、バーチャル・レンヌで測定履歴を保持することができます。こうした履歴データは、変動の要因の特定や、新たな汚染の源となりうる都市圏の成長の影響を計算するのに活用できます。(画像提供:レンヌ・メトロポール)
大規模なプロジェクトの影響を評価する際、最終的に提案が承認されるまでに多くの変更が加えられる可能性があります。この画像と次の画像は、架空の再開発計画のサンプル画像です。バーチャルツイン・エクスペリエンスを使えば、対象エリアの写実的なモデルを…(画像提供:レンヌ・メトロポール)
…瞬時に、提案された再開発計画の3Dモデルに切り替えることができます。(画像提供:レンヌ・メトロポール)
バーチャルツイン・エクスペリエンスを動かすプラットフォームにはダッシュボードが用意されており、担当者が各自、アクセス頻度の高いプロジェクトデータや証拠書類などを選り分けるのに利用できます。この画像はダッシュボードの例であり、設計者が作成したプロジェクトの完成予想図、環境への影響の説明、同プロジェクトに対する市民の意見のデータ、そして必要に応じて拡大、縮小して広範囲や3Dでディテールを見ることができる全体地図が表示さています。(画像提供:レンヌ・メトロポール)
新規の建築物の提案の大半は、行政機関ではなくデベロッパー、エンジニア、設計者によるものです。このような提案を速やかにバーチャル・レンヌのモデルに追加するために、レンヌ都市圏のチームは、外部の機関が作成した建物のモデルをバーチャルツインにコピーするAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を開発しました。このAPIは、インポートしたモデルを、レンヌ都市圏のチームが作成した地理的な位置情報ごとのプレースホルダーの近くに置きます。プロジェクトマネージャーはドラッグ&ドロップの簡単な操作で、設計者が作成したモデルを適切な位置に移動できます。(画像提供:レンヌ・メトロポール)
外部の機関が作成したモデルは、バーチャル・レンヌに追加されると3Dのモデルとして表示され、プロジェクトマネージャーや権限を付与されたユーザーだけが見ることができます。この画像は、プロジェクトマネージャーが、提案された建物の影を確認しているところです。時計とカレンダーの機能により、日にち、時間によって移り変わる影の様子を確認することができるので、近隣の日当たりに対する影響を評価するのに役立ちます。(画像提供:レンヌ・メトロポール)
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト毎にクラウドベースの「コミュニティ」を構築できます。レンヌ都市圏のスタッフは、このコミュニティを通してコラボレーションを実現し、懸念事項や取りうる解決策を共有します。またプロジェクトマネージャーは、外部のステークホルダーにこれらのコミュニティへのアクセスを認めて、寄せられた質問に答えたり追加情報を提供したりすることもできます。コミュニティはすべてのインタラクションを記録し、すべての課題と解決策の履歴を保存します。これは電子メールやスプレッドシートに比べてとてつもなく効率的な方法です。(画像提供:レンヌ・メトロポール)
プロジェクトについて、選出された当局者の審査を受ける準備が整ったら、プロジェクトマネージャーはプラットフォームの「3Dストーリー」機能を使い、バーチャルツインのモデルやデータを用いた画像入りのレポートを自動生成できます。この画像は、提案中の高層ビルによって生じる影の影響に関するレポートです。(画像提供:レンヌ・メトロポール)
市民もまたステークホルダーです。都市とその成長について一般の人々が常に情報を得られるように、都市計画の担当者は、新たな住宅事業の案を発表したり、市民向けのプロジェクト説明会を開催したりする際に、バーチャル・レンヌを活用しています。この画像は、子どもたちが学校の建て替え計画について学んでいるところです。(画像提供:レンヌ・メトロポール)

レンヌ・メトロポールについて詳しくは、こちらのページにある動画をご覧ください。

都市のバーチャルツイン・エクスペリエンスについて詳しくはこちらをご覧ください。

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