1. 3DS Blog
  2. ブランド
  3. SIMULIA
  4. Doosan Bobcat社はシミュレーションを活用し、狭い空間に大きな快適性を実現

Design & SimulationMay 18, 2026

Doosan Bobcat社はシミュレーションを活用し、狭い空間に大きな快適性を実現

世界中で開催されているSIMULIAのユーザーミーティング(RUM)は、実務エンジニアや研究者がシミュレーション技術のあらゆる側面について意見や経験を交換する場を提供しています。昨年、Doosan Bobcats社のシニアシミュレーションエンジニアであるアラン・ペロー氏が、同社におけるSIMULIA PowerFLOWの流体力学シミュレーションを活用したオペレーターの快適性と最適化についてお話してくださいました。
header
Avatarダッソー・システムズ株式会社

※本ブログは、SIMULIA Blog (英語版)で先に公開されたブログの日本語参考訳です。

チャレンジ

狭いスペースに効率的な暖房・換気・空調(HVAC)システムを設計し、コンパクトな機器でもオペレーターが快適に使用できるようにする。

ソリューション

Doosan BobcatではSIMULIA PowerFLOW’sの格子ボルツマン法を用いて正確な気流シミュレーションを実行し、最適化の可能性を探っている。

結果

  • HVACシステム性能の最適化におけるプロトタイプや物理試験の必要性を削減
  • 正確なシミュレーション結果による信頼性の向上
  • 開発期間の大幅な短縮

狭いスペースでの重作業が必要なとき、コンパクトな機械が求められます。これらはコンパクトローダー、コンパクト油圧ショベル、トラクターなどで、建設現場から鉱山プロジェクト、農地、道路維持管理まで、限られた作業スペースでの作業をこなします。今日私たちが現場で目にする多くのコンパクト機械は、Doosan Bobcats社によって開発されました。Doosan Bobcats社は1960年に初のスキッドステアローダーであるM400を発明しました。間もなく、この新しいスキッドステアローダーは、その頑丈さ、速さ、機敏さを反映して「Bobcats」と名付けられました。それ以来、同社は常に業界の先駆者であり続けています。

「Doosan Bobcatsは、コンパクト機械業界における革新的なリーダーを目指しています」と、Doosan Bobcats社のシニアシミュレーションエンジニア、アラン・ペローは述べています。「現在、当社はローダー、油圧ショベル、芝刈り機、ターフ機器、ポータブルエアコンプレッサーや発電機、マテリアルハンドリング機器など幅広い製品を取り揃えています。最近では、油圧システムを持たない完全電動のコンパクトトラックローダー『T7X』を発表しました。」

これらの機械には、多くの場合、落下物や破片などの環境的な危険要因からオペレーターを守るための密閉キャブが装備されています。密閉キャブは外部の環境要因を最小限に抑えることができますが、その内部でオペレーターの快適な温度環境を保つためには、効率的な暖房・換気・空調(HVAC)システムが不可欠です。

「冬場には、吹雪の中や寒さの中で作業する際にオペレーターが快適に過ごせるよう、HVACシステムは非常に重要です」とペロー氏は語ります。「夏場になると太陽光の熱負荷がかかり、キャブはまるで巨大な温室のようになります。そこで、キャブ内部の温度を快適なレベルに保つために、HVACシステムが必要になるのです。これがなければ、オペレーターは取り外し可能なパネルを外して外気や風に頼るしかなく、それでは快適とは言えない環境になります。」

最大の課題のひとつは、限られたスペースにHVACコンポーネントを収めることです。

「当社はコンパクト機械のメーカーなので、構成部品を収めるスペースが非常に限られています」とペロー氏は説明します。「必要な機器すべてを、キャブを適切に暖めたり冷やしたりできるように、小さなスペースの中に組み込まなければならないのです。」

HVACシステムをその設置空間に最適化するには、多くのテストが必要です。
ペロー氏は、開発を加速させ、試作や物理的な試験の必要性を減らすために、SIMULIAのPowerFLOWを活用しています。

「シミュレーションを使えば、キャブ内の気流を評価し、オペレーター周辺に空気が滞留する『デッドスポット』がないかを確認できます」とペロー氏は説明します。「キャブ内の温度分布も確認でき、ホットスポットなどの問題が発生していないかもチェックできます。」

「シミュレーション結果では、キャブ内の温度分布を全体的に把握できます。物理試験では一部の限られた地点でしか温度を測れませんが、シミュレーションなら問題のある領域を見逃さずに済むのです」とペロー氏は述べています。

SIMULIA PowerFLOW はシミュレーションの設定や実行が簡単であることが評価され、同社で採用が決定しました。

「当初は、エンジンルーム内の冷却用熱シミュレーションのためにSIMULIA PowerFLOWを使い始めましたが、すぐにその効果を発揮しました」とペロー氏は語ります。「すべてを設定して実行するだけで、大抵は一回目から良い結果が得られます。他のプラットフォームも検討しましたが、多くのトラブルシューティングが必要でした。SIMULIA PowerFLOWだけは、最初の実行ですべてがうまくいったのです。」

ペロー氏がこのツールに自信を持っている理由は、試験結果との一貫した整合性にあります。

「SIMULIA PowerFLOWは、実験結果と非常に近い相関があります。それにより、たとえ相関検証を行っていなくても、得られた結果が必要とする精度を持っているという確信が持てます。」その結果、開発チームは、コンパクト機器の開発をより迅速に行うことができ、同社が市場をリードしているポジションの継続をサポートしています。

「近い将来、排出ガスを削減し、より環境に優しい機器の運用を実現するために、電動化やその他の代替燃料への移行がさらに加速していくことが想定されます」とペロー氏は語ります。「PowerFLOWを使ったエンジンルーム内の熱シミュレーションは、私たちのシミュレーションプロセスを大幅に高速化してくれました。他の製品と比べて、私たちのような小規模チームでもより多くの作業を簡単にこなせます。他社の方々とも話をしましたが、同様の作業を完了するのに1週間から1か月かかることもあるそうです。それに対して、私たちは場合によっては1週間以内、あるいは1日で完了することもできます。」

SIMULIA Communityに登録すると、Doosan Bobcats社を含むSIMULIAのユーザーミーティング(RUM)2024年で発表されたプレゼンテーション資料をご覧いただけます!


最新のシミュレーショ ンソリューションにご興味がおありですか?アドバイスやベストプラクティスをお探しですか?他のSIMULIAユーザーやダッソー・システムズの専門家とシミュレーションについてお話しする必要がありますか? SIMULIA Community では、SIMULIA ソフトウェアの最新リソースを検索し、他のユーザーとコミュニケーションを図るためのオンラインコミュニティーです。革新的な思考と知識構築の扉を開く鍵である SIMULIA Communityは、いつでもどこでも知識を広げるために必要なツールを提供します。

読者登録はこちら

ブログの更新情報を毎月お届けします

読者登録

読者登録はこちら