「竹内シルバー、今回が最後の回だね。オオトリをよろしくお願いしますね!」(松岡)
「任せてくださいよ。何せ僕は一番古くからENOVIA、いやMatrixを知ってますからね!」(竹内)
「そうだよね、私も営業やっててノートPCにMatrixのビジネスをインストールしてお客様の面前で属性追加した画面をその場で見せたりしてたわ。
Matrixの流れを汲んでいるとはいえ、ENOVIA(3DEXPERIENCE)はずいぶん進化もしたし、変わってきてるんでしょうね?」(松岡)
「そのあたりを今回はお話しようとおもってるんですよ」(竹内)
「了解!
じゃ、さっそく行ってみようか!」(松岡)
ENOVIAのカスタマイズは製品の理解も必要だが、
ENOVIAの前身であるMatrixから継承されているデータモデルを理解する必要がある。余談だがMatrix初期の頃は部品表管理・プロジェクト管理などの製品群は存在しておらず、顧客要件に合わせデータモデルを定義し、MatrixNavigatorというRichClientでデータの登録・参照を行っていた。(下図参照)
ENOVIAでユーザーがデータを登録・参照できるようにするためには「管理オブジェクト」と呼ばれるデータモデルを定義するオブジェクトを作成する必要がある。
管理オブジェクトにはType(データ種別),Attribute(属性),Relationship(オブジェクト間の接続情報),policy(ライフサイクルやアクセス権定義)などがあり、これらを定義することによりデータの管理が出来るようになる。
ここから、開発における注意事項を記載する。
昔は、顧客要件に合わせてデータモデル(管理オブジェクト)を定義していたので、バージョンアップ時にあまり影響はなかったが、3DEXPERIENCE製品となるとあらかじめデータモデルが定義されているので、カスタマイズは慎重に行う必要がある。
なぜなら、既存のデータモデルやWebページなどに変更を加えるとFixPack適用時やバージョンアップ時にエラーが発生したり構築した機能が動作しなくなる恐れがある。
管理オブジェクトにはデータモデルの定義以外にもUIの定義(Configurable Components)やカスタマイズしたビジネスロジックを格納するオブジェクトも存在する。それらに対し変更を行うとFixPack適用時やバージョンアップ時、同一オブジェクトに変更があった場合、最新の状態に更新される為、カスタマイズした内容が元に戻ってしまい、正常に動作しなくなる。
上記を防ぐためにはデータモデル、Configurable Componentsの定義を理解し、既存のスキーマを変更するのではなく、バージョンアップ時に影響がでないカスタマイズを行う必要がある。
又、上記の管理オブジェクトを定義するにはENOVIAデータベースと直接通信を行うMQLといったENOVIA特有の言語を利用しなければならずこちらも理解する必要がある。
エンドユーザーがカスタマイズなしで3DEXPERIENCE製品を使用していただければ、このような問題は発生しないのだが、まだまだ日本ではシステムに運用を合せるといった顧客は少ない為、少なからずカスタマイズは必要になる。
もし、3DEXPERIENCEの開発に関わることがあれば上記のことを頭の片隅にいれて開発を行って頂きたい。もっと詳細を知りたい読者はエスツーアイ古田まで(弊社ホームページより)問合せください!
「やるね!!古田くんは第三回に登場したブルーの事です。これで、全エスツーアインジャー5人による、5回のブログを完了いたしました。私は無茶ブリをしただけですが、各メンバーの個性を出せたと思います。お問い合わせありましたらS2Iホームページもしくはダッソー・システムズまで連絡くださいませ。
皆さん、お付き合いいただき、ありがとうございました。」(松岡)
<バックナンバー>
第一回:BOMから見つめなおす業務改革 第二回:ENOVIAで製造BOM育成過程を管理する 第三回:BOMの活用方法 第四回:パッケージを用いたシステム開発プロジェクトの要件定義について
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エスツーアイ株式会社:3Dエクスペリエンス・プラットフォーム ENOVIA
http://www.s2-i.co.jp/handling_products/product_enovia.html
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