『BOM』と聞くと何を思い浮かべるだろう? 「Bill of Material」、「部品表」、「MBOM」、「EBOM」、「統合BOM」あったな~~
「ちょっと待ってください、いきなりそこからはいりますか!」(與儀) 「あ、そうね、まずは自己紹介、会社紹介からやらないと、誰?ってなるもんね」(松岡)
「今日は與儀くんがお話する予定ですが、まずは って事で会社紹介を私(松岡)がやらせていただきます!
私達(今後5回に渡って登場します5人+私)はエスツーアイ株式会社のメンバーです。 今後この5人を【エスツーアインジャー】と呼びます。
エスツーアイ(S2Iが略称)は、知る人ぞ知る、(業界が結構特殊なので、知らない人は知らないんですが・・・)愛知県三河地区に本社(と、ソリューションセンター)を置く会社です。親会社は村瀬電気(そう、電気工事屋です)総業60年を超える地場では大きい方の電気工事会社です。村瀬電気が旧Matrixoneの代理店になってからはや17年目で、意図せずダッソー・システムズ:ENOVIAのパートナーになっております。昔はRMIサーバよく落ちて、お客様に迷惑かけました。懐かし~
このあたり(東浦町近辺です)は自動車部品メーカ様がたくさんいらっしゃいまして、SNS(号機管理)のシングルレベル部品表(生産管理のBOMですが、最終製品から各部品:サブAssy含めて 全て1レベルに展開されていて、親に対する手番(ま、納期でしょうか)と所要量を持つので、1回の展開でMRPが終わる と言う画期的なBOM!)を某大手部品メーカ様からご教授いただき開発したのが、今から30年前。S2Iの部品表の歴史はここから始まったんですね
ここ10年くらいは、生産管理の所要量展開するための部品表はなくて、設計・生準(生産準備ですな)の管理のためのBOMがニーズ多いですね。
自動車部品メーカ様はBOMで何をしたいって言ってるの?レッド?」(松岡)
「それが今回の主題ですよ。って言うか レッドってなんですか?!」(與儀)
「ま、いいや、それじゃ撲の出番ですね。」(與儀)
今回は『BOMから見つめなおす業務改革』をテーマにお話させて頂きたいと思います。 部品表・・・BOM(Bill of materials)は、モノづくりの製造業にとっては必要不可欠なものといえます。設計部品表(E-BOM)や製造部品表(M-BOM)など様々ありますが製造業にとってBOMは必ず管理しているものといえます。
私は主に生準(生産準備)のシステムに関わる機会が多いのですが、どの企業においても生準の軸となるのはやはりBOMです。
【BOMのシステム化(一元化)に伴うメリット/デメリット】
BOMをシステム化するにあたり、以下のメリット・デメリットはあります。
■ メリット ・類似品検索、共通品の親品番検索の工数低減 ・構成チェックによる部品表の精度アップ
・・・LVチェック、質量のチェック、品番の採番チェック、構成仕様チェック(品番の属性情報における組合せのチェック)等をシステム内で実施することで設計変更のリスクを減らすことができます。
■ デメリット
・作業工数が増大。
・・・新システムの場合、慣れるまで作業工数が増大。 ・・・システム入力となる場合、入力内容の制約厳しくなる為、登録工数が増大。 ・・・紙運用が残る場合、システムと紙運用の2重メンテナンスが発生する可能性がある。
上記のように、部品表をシステム化する為には作業者の負担を避けることはできません。この作業者の負担を如何に軽減するかというのがBOMをシステム化する上での重要事項といえます。しかしながらシステム化することによるメリットのほうがはるかに大きいと考えています。BOMを一元管理することで検索工数の低減、部品表精度向上等は直接のメリットとしてもちろんあるのですが、BOMを構築することで、各個人で持っているノウハウを共有化する為の土台になるというのが大きなメリットと考えています。
これこそが『BOMから見つめなおす業務改革』に繋がります。
BOMを各個人に依存していた技術や今まで共有されていなかった情報を入れる為の土台にする事により、その土台に対し情報を入れる為の『手法』を模索する必要が出てきます。
例えば
BOMに対し見積原価/実際原価情報を入れることにより、1部品に対しどれだけ会社に利益があるのかを知ることができますし、各部品の利益を積み上げすることにより製品としての利益を知ることも可能となります。
また、BOMにおける1部品毎の日程進捗情報を入れることにより、各品番の進捗状況のほかに、1プロジェクトとしての遅れ状況、負荷状況等も把握することが可能となります。
しかし、それは最終的なアウトプットであり、最も重要なことはBOMの各部品に対して如何にして統一された情報をインプットするかを考える必要があることです。システムで情報を共有するということは各個人、各部署で培ったノウハウを集約し、手法を統一するということにつながります。
システム開発をしていても最も難しいところもここにあります。企業の中での立場、日々の業務内容により部署、人でそれぞれ考え方が異なります。それらを統一するということは最も難しいことですし時間も掛かります。
だからこそ、製造業における製品の軸となるBOMのシステム化から始め共通の土台を形成した後、どのような情報をどのようにインプットしていくかを模索するといった流れが業務改革を推進するきっかけになると考えていますし、それを模索すること自体が個人に依存しない企業としての技術力向上となると考えています。(與儀)
「レッド、いいこと言うね! さすが10年生準BOMに携わってきただけの事あるわ
設計BOMは設計部署の方々がユーザ様だけど、EBOMを使った業務を行っている部署は全社ですもんね。設計BOMで終わらせるのは情報がもったいないね。私達はこれからもユーザ様の声に聴き耳を立てて、EBOM活用を推進していきましょう。
次回は、イエローこと相武くんが担当します。 EBOM、MBOM違いは何? とよく質問されます。
ある会社様のモデルを想定して、1例の考え方を解説します、お楽しみに!(エスツーアイ株式会社・松岡)
エスツーアイ株式会社:3Dエクスペリエンス・プラットフォーム ENOVIA
http://www.s2-i.co.jp/handling_products/product_enovia.html
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